
名古屋グランパスとFC東京の堅守同士の対決はスコアレスドロー。やはりどちらも守備が堅く息詰まる戦いではあったが、崩すには至らなかった。
FC東京は今シーズン失点が多くなってはいるものの、この試合では従来のハイクオリティな守備を披露していた。
なんとなくではあるが、この2チームは似た者同士な雰囲気が強い。両者の志向するサッカーはもちろん、かつてフィッカデンティがFC東京を率いていたこともあったり、後は名古屋にも東京も古巣対決となる選手がチラホラいて、なんとも顔見知りが多い試合となった。
ただ同じ堅守でも守備のやり方は微妙に違うな(当たり前だけど)と感じたので、今回は両者の守備戦術の違いを強引に比較して書いていきたい。
名古屋の中を絞める守備ブロック CBの潰しが完璧

名古屋の守備ブロックについては当ブログで軽く紹介していて、基本的にどの試合でもそれが継続されている。
https://yaisi1493.com/名古屋グランパス%E3%80%80鉄壁の守備戦術を考察%E3%80%80jリー/
一応参考までにのせておきます。
名古屋の守備の特徴
・ハーフスペースはボランチがカバー
・大外のレーンはSHがバックして埋める、中で降りる相手SHはそのままSBが潰しに行く
・ボールが中央にあるときは基本的に中を締めて、SBもかなり絞る
・最終ラインの対人戦が強すぎる
・CBはどんどん潰しに行く、潰せない時は中盤と挟み込む
この試合前半は前からのプレスは行くことが少なく、どちらかというと、待ち構えての守備が多かった。
その上で名古屋の守備ブロックはいつも通り機能していた。
特に良かったのはCBの中谷と丸山が楔を徹底的に潰せていたこと。というか両者のチャレンジ&カバーが完璧であった。
FC東京の前プレ

FC東京は比較的ミドルプレスがうまくはまっていた印象。
ポイントはWGが外を埋めて、IHが流動的に前に出てくる形である。
ただし、前からはめる時はWGがCBにプレスに行く時もあり、その時は、IHがカバーに入っていた。
アンカーの森重は段差を作らずに、3センターみたいな形になることが多く、時折降りて受けようとする稲垣、米本にもアタックすることもあった。
森重のポジショニングと読みが素晴らしく、前で追い込んで、その後の縦パスを引っ掛けることが非常に多かった。
さらにIHが出ていった後の気の利いたカバー、CBであることを活かした最終ラインのカバー等かなり効きまくっていた。
名古屋は前線2枚が中央を消しているが、東京は中盤が3枚いることで、後ろからアタックすることができるので、パスカットが狙いやすい。さらにアンカーが中盤の掃除をできるので前からプレスに行きやすそうな印象。
後ろからアタックしていくかどうかが1つ目の違い。もちろん名古屋も中盤が前に出ていくが、3枚いる分出やすいよって話。
FC東京押し込まれ時

前半はあまり押し込まれることが少なかったので主に後半。
WGがプレスバックして、IHがハーフスペースを埋める。名古屋との違いはアンカーがいることで、時に最終ラインのカバーも入れるので、CBがカバーリングしやすいというメリットがある。
後は中盤がカバーに入った時に、真ん中には後2人いるので、バイタルがあきにくいこともメリット。
ただしその分後ろに重くなってしまうのが難点。
後半4-4-2に変更のFC東京

名古屋が斎藤学と相馬を入れて左サイドを活性化させてきたからなのか、それとも永井を入れてよりカウンターにシフトしようとしたのか、どっちが直接的な原因かどうかはわからないが、後半途中からFC東京はシステムを4-4-2に変更した。
守備のやり方も若干変更。
コンセプトは変わらず、中盤がハーフスペースを埋めて、代わりに永井が降りてきて中央を埋める形。
名古屋が左サイドに人数を割いてきたが、それに対して東京もしっかり対応していたので、後半途中左サイドの人口密度がかなりすごかった。
まとめ
名古屋もFC東京もCBを外に出させない(代わりにハーフスペースを中盤がカバーする)というルールは同じである。
外のスペースもSHがバックするというのもほぼ同じ。
システムが違うことで、ボールにアタックする流れは変わってくる。
FC東京はIHが前に出ていくのでその背後をどのように埋めるのかという対応が難しくなる。いわゆるアンカー横。
逆にアンカーがいることで、最終ラインのカバーにも入れるので、CBが横にスライドすることも可能で守備範囲は広くなる。
名古屋はボランチが横にするのでバイタルのケアはCBがすることも多く、CFへの楔を潰しきれる強さが絶対的に必要。
まとめると名古屋の方が個々の役割がはっきりとしている印象で、FC東京はIHが出ることで、臨機応変な対応を迫られる場面が増えそう。
けどやっぱり似てると思う。
そんな堅守の両者を強引に比較した記事でした。
終わり
コメント